最近、何かと話題になっている遺伝子の検査ですが、自宅でも調べられる専用の遺伝子キットが販売されているとのことで、ちょっと気になったので、遺伝子検査キットについて調べてみました。
遺伝子ということば自体は、誰でも知っていますが「遺伝子とは何?」と聞かれたら答えにくいですよね。遺伝子とは、一言でいえば、私たちの体を作るための情報、あるいは設計図と考えると分かりやすいようです。
ということで、ここからは遺伝子の検査とはどういった検査で、遺伝子の検査のキットにはどのような種類があり、何がわかるのかをまとめていきます。
遺伝子検査とは
遺伝子検査とは、人間の体を作るための情報のことで、そのうちの約1.5%がたんぱく質についての情報だそうです。そして、生物に必要な全遺伝情報をゲノムといいます。
ゲノム(Wikipedia引用)
分子生物学の立場からは、すべての生物を一元的に扱いたいという考えに基づき、ゲノムはある生物のもつ全ての核酸上の遺伝情報としている。
DNAという言葉もよく聞くと思いますが、これと遺伝子は違います。DNAとは、二重らせん状の遺伝情報を記録しているものです。
デオキシリボ核酸(Wikipedia引用)
デオキシリボ核酸(デオキシリボかくさん、英: deoxyribonucleic acid、DNA)は、核酸の一種。地球上の多くの生物において遺伝情報の継承と発現を担う高分子生体物質である。
ヒトのDNA配列は30億あり、個人による差を生じやすいものが、そのうちの数百万個だそうです。警察などで、犯人を特定するDNA鑑定とは、このDNA配列を解析することで、DNA配列の違いによって、外見、体質、運動能力などの個人差がわかります。
同様に、発症リスクのある病気など、遺伝的傾向もわかり、それを生活改善、病気予防に役立てることができるということだそうです。
遺伝子検査でわかること
先にも述べたように、30億のDNA配列の内、個人差が表れやすいのは数百万個です。それを調べる遺伝子の検査によって、どんなリスクを持っているのかがわかります。
遺伝子の検査により、がんや生活習慣病などの病気気にかかるリスクの高低、薄毛やAGAになるかどうかなど、ヒトの体に関することや、女性が気にする肌質やダイエットについてもわかるそうです。
これらは、わざわざ医療機関に出向かなくても、自宅で購入をした検査キットでも、大抵のことは、調べることができ、簡単にいうと郵送型検査のようです。
そしてまた遺伝子検査キットには、様々な種類があり、それぞれの知りたい特徴を調べることができ「遺伝子検査のキットによって自分は何を知りたいか」そこをしっかり見定めて、遺伝子の検査を有意義な活用ができますよね。
ここでは、検査内容を11のジャンル別に分けてみました。
①がんリスク遺伝子検査
がんも遺伝的なものに大きく影響を受けることがわかっています。
自分の遺伝子のタイプを知ることでどんながんにかかりやすいかがわかります。胃がん、大腸がん、前立腺がん、子宮頸がんなどのリスクがわかるといわれています。
ただし、高リスクと判断されたところで、直ちに発症するわけではありません。リスクを知ることで、生活を見直し、改善するならがんになるリスクを下げることができます。
②疾患リスク遺伝子検査
がんだけに限らず、さまざまな病気(疾患)を発症することに関わっているのも遺伝子です。それを検査することによって、自分の疾患リスクを知ることができます。
もちろん高リスクであっても、直ちに発症に結びつくものではありません。ただ、知ったことで生活習慣を見直す契機にすればいいのです。
③肌質遺伝子検査
女性にとってお肌の悩みは深刻です。お肌の悩みを持つ女性に役立つ遺伝子の検査です。
この検査によって、自分の肌の特徴、ウイークポイント、老化の原因を知ることができます。
一生懸命していた美容ケアが逆効果なんてこともあるそうです。遺伝子レベルの肌情報を知れば、自分にぴったりなスキンケアの方法もわかるとのことです。
④肥満遺伝子検査
肥満は生活習慣、食事習慣と大きく関わっていますが、遺伝的な影響もあることがわかっていますよね。
肥満の遺伝子検査を受けることによって、自分の体質にあったダイエット法を選べ、そうすると自分に合ったダイエット法なら、より効果的なダイエットが可能ということです。
⑤薄毛・AGA遺伝子検査
薄毛やAGAに悩む人、不安に思っている人も多く、そういった人の手助けになる遺伝子の検査です。
AGAは、男性だけでなく女性もなる可能性があり、薄毛・AGAになるリスクの判定ができるようです。
判定結果とともに,自分の体質にあったヘアーや頭皮ケア製品を利用することができます。
⑥体質遺伝子検査
親子を見ていて、顔の輪郭や鼻の形、食べ物の嗜好があまりに似すぎていてびっくりすることがありませんか?
顔や体型などの特徴、匂いへの敏感さ、味覚、食べ物の好みなど、様々な体質が遺伝子の影響を受けているため、体質遺伝子の検査を受けると、自分の特徴に遺伝子がどう関わっているのかを知ることができます。
⑦能力遺伝子検査
うわさ話で「○○のお子さんは賢いんですって。おじいちゃんもお父さんも賢かったから・・・」なんてママ友同士で話すことなどありませんか?
学習能力、身体能力、性格(感性)にも遺伝子が大きく影響しており、得意分野、不得意分野が遺伝子の検査でわかるそうです。子どもだけでなく、大人でも受けることができます。
才能があるとか、ないとか一喜一憂するのではなく、得意分野を伸ばし、不得意分野をカバーしていく、というプラス思考で受け止めるなら、この遺伝子検査は意義があるように思います。
⑧アルコール感受性遺伝子検査
お酒が強い弱い、顔に出る出ないなどは、遺伝子の影響が大きいそうです。
アルコール代謝とアセトアルデヒド代謝に関わる遺伝子を調べる、アルコール遺伝子検査では、自分のアルコール感受性がわかります。
それらがわかることによって、健康管理に大きく役立てることができますよね。
⑨血液型遺伝子検査
血液型遺伝子検査って「血液型なら知っている」と思ったかもしれませんが、この検査は、血液検査ではなく、遺伝子の検査なので、ABO型だけでなく、同じA型でも、AA型なのか、AO型なのかがわかります。
ちなみに、この検査は採血しません。口腔内粘膜で、できるので小さなお子さんでも大丈夫です。
⑩相性・婚活遺伝子検査
簡単に手に入る遺伝子の検査キットなのに「相性や婚活を遺伝子で調べるの?」って思いませんかあ?実は、調べられるんですって!
このキットが大人気で、ヒトは、子孫の免疫を高める相手に惹かれる傾向があるといわれています。免疫に関係する遺伝子を調べれば、自分にぴったりな相手がわかるということだそうです。
今付き合っている人との相性を調べることができるなど、パートナー探しのお手伝いができるサービスも併せてできるキットもあるそうです
ちょっと驚きました!!
⑪ペット用遺伝子検査
ペットは、とても大切な家族ですよね。でも、しゃべれないので、病気になってもなかなか対処がむずかしいです。
そんなとき飼っている犬や猫の遺伝子の検査をすれば、どんな病気にかかりやすいかがわかります。それがわかっていれば、ペットが病気になった時に、治療に役立つ可能性が大きいですよね。
遺伝子検査キットは安全なのか?
遺伝子キットについては「遺伝子の検査を家庭で行うことって、大丈夫なの?」「やっぱり、専門家に任せるべきじゃない?」とか、遺伝子検査の安全性とか、行う際の注意点も気になり、調べてみたので書いておきますね。
遺伝子の採集について
遺伝子検査をするためには遺伝子を含む検体を採集しなければなりません。「えっ?!痛そう」「素人にできるの?」と心配になりますが、大丈夫のようです!
たいていの採集方法は、「口腔内粘膜」「唾液」で採集だそうです。
口腔内粘膜の採集は、頬の内側を綿棒でこすって採集しますので痛みはなく、もちろん、唾液は、唾液を集めるだけですから、痛みはまったくありませんよね。
個人情報法は大丈夫?
遺伝子情報といえば、デリケートで高度な個人情報です。外部に漏れないか、何かに再利用されないか心配ですよね。
この問題は、日本においては個人遺伝情報は個人情報保護法で守られているので、厳しく管理することが義務付けられているようです。
検査に使用した検体(遺伝子)も解析後は、廃棄されることに決められていますので、安心ということです。
まとめ
以上、遺伝子の検査で何がわかるのか?遺伝子検査のキットにはどのような種類があるのかをまとめてみました。
自分に関わるリスクを予知しておくことで、そのリスクを回避できる可能性があるなら、遺伝子の検査キットには、ニーズがありますよね!
人生100年時代を生き抜くために、健康寿命を伸ばしたいものです。遺伝子の検査キットには大きな需要を感じます。
